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日本銀行券の残高は2024年12月がピーク — 積み上がる局面が終わりつつある

銀行券発行高は2024年12月の124兆778億円をピークに2026年8月の114兆8,673億円まで減りました。現金がM2に占める比率も11.19%から10.23%へ下がっています。同じ期間に台湾・香港・マレーシアでは比率が上がっており、方向は市場ごとに割れています。

CapsWindow公開:
M2インフレ

日本の現金残高はまだ増えているか

増えていません。日本銀行券発行高は2024年12月末の124兆778億円をピークに、2026年8月末は114兆8,673億円まで減りました(日本銀行、末残)。

124兆778億円 → 114兆8,673億円
日本銀行券発行高、2024年12月末から2026年8月末まで(日本銀行、末残)

この比較で扱った9市場のうち、現金残高そのものが減っているのは日本だけです。台湾・香港・マレーシア・タイ・インドネシアはいずれも直近まで増えています。

銀行券と貨幣を合わせた現金がM2に占める比率も下がっています。

図で見る

日本の現金残高はまだ増えているか

現金(銀行券+貨幣、億円)

  • 2009年12月855,107
  • 2014年12月977,380
  • 2019年12月1,176,954
  • 2024年12月1,287,706

ゼロを基準とする共通の線形目盛です。 下の表から一部の項目を抜粋しています。日付・単位・定義・注意点は元の表と本文を確認してください。

出典 ↓

期末現金(銀行券+貨幣、億円)M2(億円)現金÷M2
2009年12月855,1077,642,20511.19%
2014年12月977,3808,909,09410.97%
2019年12月1,176,95410,400,85811.32%
2024年12月1,287,70612,588,53510.23%

本稿の現金は末残です。平残の系列は別の数値で、たとえば2009年12月の銀行券は平残では78兆1,778億円、末残では80兆9,543億円と異なります。混ぜてはいけません。また下の比較表では、日本・香港・シンガポール・マレーシア・タイ・フィリピン・インドネシアが「流通高/発行高」(金融機関の保有分を含む)、台湾とベトナムが「公衆保有/銀行部門外」の概念です。したがって市場間は方向のみ比較可能で、水準は比較できません。

キャッシュレス比率は上がっている

経済産業省のキャッシュレス決済比率は、国内指標で2024年52.82%、2025年58.00%です(経済産業省)。

年国内指標国際比較指標
202452.82%42.76%
202558.00%46.28%

ここは読み間違えやすいところです。経済産業省は分母の異なる2つの指標を並べて公表しています。国内指標の分母は帰属家賃を除く家計最終消費支出、国際比較指標の分母は民間最終消費支出です。片方の年ともう片方の年をつなぐと、1年で42.8%から58.0%へ跳ねたように見えますが、そのような変化は起きていません。同じ指標どうしで比べれば52.8%→58.0%、あるいは42.8%→46.3%です。

支払いのキャッシュレス化が進みながら、現金残高は2024年をピークに減り始めた。この2つは同じ方向の話であり、日本はそれが残高にまで届いた最初の市場ということになります。

券種の構成は逆を向いている

ただし一様ではありません。一万円券が銀行券に占める割合は、2009年末の91.18%から2024年末の92.64%へわずかに上がりました(日本統計年鑑、原資料は日本銀行)。

年末一万円券の割合
200991.18%
202492.64%

保管される現金は高額券に寄る、という傾向自体は日本にもあります。ただし日本の場合はすでに9割を超えており、上昇の余地がほとんどありません。同じ指標でマレーシアのRM100券は2009年の28.2%から2026年6月の48.4%へ動いており、変化の大きさが違います。

券種別の統計は年次で、最新は2024年末です。また2024年は新しい様式の銀行券が発行された最初の年にあたり、五千円券と千円券の残高がこの年に動いています。割合はこの2つの公表値からCapsWindowが算出したもので、日本銀行が割合として公表しているわけではありません。

他の市場も同じ方向か

いいえ。これがこの比較で最も注目すべき結果です。

市場2009年12月2019年12月2024年12月概念
台湾3.12%4.61%5.17%公衆保有
香港5.82%7.12%7.25%流通高
マレーシア—5.85%6.89%流通高
シンガポール——8.06%流通高
タイ9.85%9.29%10.10%流通高
日本11.19%11.32%10.23%流通高
ベトナム14.01%11.33%9.10%銀行部門外
フィリピン15.01%13.66%14.85%流通高

台湾・香港・マレーシアは上昇、日本とベトナムは低下です。ベトナムは14.01%から9.10%へ、9市場で最大の低下でした。空欄は本サイトのM2系列がその時期に始まっていないためで、値がゼロという意味ではありません。

したがって「現金はどこでも積み上がっている」は事実ではありません。日本はむしろ反対側にいます。

市場ごとの違いは、現金が使われる場面の違いに対応しています。決済インフラの普及度、非公式部門の規模、観光客の現金、高額券の発行構造などです。この段落は違いの由来についての解釈であり、表の数値は各中央銀行の公表統計と本サイトのM2系列の観測値です。

この数値を読むときに確認すること

まず概念です。「発行高」「流通高」「公衆保有」は3つの異なる数値で、違いは金融機関が保有する現金です。表では行ごとに明記しており、市場間は方向のみを比べています。

次に分母です。決済側の現金比率は、定義された取引や消費の範囲が分母になります。範囲が変われば答えも変わります。残高側の比率はM2が分母です。両者は互いを検証しません。

最後に、現金÷M2を別のものとして読まないことです。これは通貨総量に占める現金の数学的な比率であり、「本当のインフレ率」でも地下経済の規模でもありません。比率が低いことはキャッシュレス社会を意味せず、高いことは地下経済の大きさを意味しません。

同じ金額を複数の基準で比べる →

よくある質問

日本銀行券の残高はいくらですか

2026年8月末で114兆8,673億円です。2024年12月末の124兆778億円がピークで、そこから減少しています。この比較対象9市場のうち、現金残高そのものが減っているのは日本だけです。

現金がM2に占める比率はどうなっていますか

2009年12月の11.19%から2024年12月の10.23%へ下がりました。台湾は3.12%から5.17%へ、香港は5.82%から7.25%へ上がっており、方向は逆です。

キャッシュレス決済比率の2024年と2025年の数字が資料によって違うのはなぜですか

経済産業省が分母の異なる2つの指標を並べて公表しているためです。国内指標は分母が帰属家賃を除く家計最終消費支出で2024年52.82%・2025年58.00%、国際比較指標は分母が民間最終消費支出で2024年42.76%・2025年46.28%です。片方の年ともう片方の年をつなぐと、実際には存在しない急変化に見えます。

残高が減っているのに一万円券の割合が上がっているのはなぜですか

減り方が券種で一様ではないためです。一万円券の割合は2009年末91.18%から2024年末92.64%へわずかに上がりました。ただし2024年は新しい様式の銀行券が発行された最初の年で、五千円券と千円券の残高が動いている点に注意が必要です。

出典

  1. CapsWindow · データと計算方法 ↗
  2. 日本銀行 · マネタリーベースと日本銀行の取引(長期時系列) ↗
  3. 総務省統計局 · 日本統計年鑑 通貨流通高(原資料:日本銀行) ↗
  4. 経済産業省 · キャッシュレス決済比率 ↗

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