10年国債利回りは何年ぶりの高さ? 9月平均2.992%は1996年8月以来
財務省の日次データを月平均すると、2026年9月の10年国債利回りは2.992%で1996年8月以来の高さです。1986年7月以降483か月のうち120位、日次では10月7日に3.111%を付けました。物価を引いた実質や住宅ローンへの意味も整理します。
日本の長期金利が、ほぼ30年ぶりの水準に戻りました。ただ「過去最高」ではありません。1980年代後半から並べると、いまの数字が歴史のどこにあるのかが分かります。
日本の10年国債利回りはいまいくらか
2026年9月の月平均は2.992%です。財務省の国債金利の日次値を月ごとに平均しました。
2026年9月の10年国債利回り(財務省の日次値の月平均)。1996年8月以来の高さ
| 月 | 10年国債利回り(月平均) |
|---|---|
| 2025年9月 | 1.627% |
| 2025年12月 | 1.980% |
| 2026年3月 | 2.243% |
| 2026年6月 | 2.654% |
| 2026年8月 | 2.871% |
| 2026年9月 | 2.992% |
1年前から137ベーシスポイント、2025年12月から101ベーシスポイント上がりました。日次では9月2日に3.006%と終値で初めて3%台に乗り、10月7日には3.111%を付けました。日次でこれを上回ったのは1996年8月27日(3.179%)が最後です。
1986年以降で何番目に高いか
483か月中120位です。高い方から数えた順位で、「何年ぶり」と「歴史の中での位置」は別の話です。
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 対象期間 | 1986年7月〜2026年9月(483か月) |
| 2026年9月の順位 | 120位 |
| これより低かった月の割合 | 75.2% |
| これより高かった最後の月 | 1996年8月(3.19%) |
| 最高 | 1990年9月(7.883%) |
| 最低 | 2016年7月(−0.259%) |
1980年代後半から1990年代半ばまでは、3%を超える月が当たり前でした。そのためいまの水準は「約30年ぶり」でありながら、40年の順位では上位4分の1の入り口にとどまります。
年平均で見るとどう変わってきたか
年平均で見るとどう変わってきたか
年平均
ゼロを基準とする共通の線形目盛です。 負の値は左側に伸びます。 下の表から一部の項目を抜粋しています。日付・単位・定義・注意点は元の表と本文を確認してください。
| 年 | 年平均 |
|---|---|
| 1990年 | 6.86% |
| 1996年 | 3.12% |
| 2000年 | 1.75% |
| 2008年 | 1.49% |
| 2013年 | 0.71% |
| 2016年 | −0.05% |
| 2020年 | 0.01% |
| 2024年 | 0.91% |
| 2025年 | 1.54% |
| 2026年(1〜9月) | 2.56% |
2016年から2021年にかけて、年平均はおおむね0%前後でした。日本銀行がマイナス金利と長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)で長期金利を抑えていた期間です。2026年の年平均は、まだ9か月分ですが2.56%と、2000年以降で最も高くなっています。1990年と1996年は月平均から計算した参考値です。
物価を引くとどうなるか
実質はプラスで、+1.09ポイントです。9月の利回り2.992%から、最新の消費者物価上昇率(2026年7月、総合1.9%)を引きました。基準月がそろっていない点に注意してください。
| 月 | 10年国債利回り | 消費者物価 前年同月比(指数から計算) | 実質 |
|---|---|---|---|
| 1987年1月 | 5.204% | −1.06% | +6.26ポイント(最高) |
| 2023年1月 | 0.479% | 4.35% | −3.87ポイント(最低) |
| 2025年1月 | 1.206% | 3.98% | −2.77ポイント |
| 2025年12月 | 1.980% | 2.02% | −0.04ポイント |
| 2026年1月 | 2.203% | 1.51% | +0.69ポイント |
| 2026年7月 | 2.773% | 1.90% | +0.88ポイント |
同じ月同士で計算すると、実質は2021年9月から2025年12月まで52か月続けてマイナスでした。名目の利回りは上がっていましたが、それ以上に物価が上がっていたためです。表の物価上昇率は総務省の指数(2025年=100)から計算したもので、公表値と0.1ポイント程度ずれる月があります。日本銀行も9月18日の公表文で、実質金利は短中期ゾーンを中心に低い水準にあるとしています。
借りる人・預ける人・債券を持つ人には何を意味するか
長期でお金を借りる人には負担増、新しく債券を買う人には利回りの上昇、すでに債券を持つ人には価格の下落です。
| 項目 | 値 | 時点 |
|---|---|---|
| 政策金利(無担保コール翌日物の誘導目標) | 1.25% | 2026年9月18日 |
| 10年国債利回り − 政策金利 | +174ベーシスポイント | 2026年9月(月平均) |
| フラット35(21〜35年、融資率9割以下、最も多い金利) | 3.83% | 2026年10月 |
住宅金融支援機構のフラット35の10月の金利は3.83%で、共同通信によると前月から0.37ポイント上がり、現行制度となった2017年10月以降で最も高くなりました。長期固定型は長期金利を、変動型は主に政策金利を反映しやすいため、10年物と政策金利の差が開くほど、固定と変動の金利差も意識されやすくなります。
すでに持っている固定利付きの国債は、利回りが上がると市場価格が下がります。満期まで持てば額面で償還されますが、途中で売る場合は購入時より安くなることがあります。
将来必要な金額を試算する — 金利や物価の前提を変えると、同じ目標額でも必要な金額が変わります。
この数字の限界
10年国債利回りは財務省が公表する日次の国債金利(市場実勢の参考値)をCapsWindowが月平均したもので、公式の月次統計ではありません。月末値や日次値を使うと順位は変わります。実質は最新月の利回りと最新の消費者物価(2026年7月)を組み合わせた値で、基準月がずれています。政策金利はBISの月末値です。過去の水準と比べても、今後の金利の方向は分かりません。
よくある質問
日本の10年国債利回りは何年ぶりの高さですか。
月平均では2026年9月の2.992%が1996年8月(3.19%)以来の高さで、約30年ぶりです。日次では10月7日の3.111%が1996年8月27日(3.179%)以来の水準です。いずれも財務省の国債金利から計算しています。
過去の最高はいくらでしたか。
1986年7月以降の月平均で最も高かったのは1990年9月の7.883%、最も低かったのは2016年7月の−0.259%です。2026年9月の2.992%は483か月中120位で、上位4分の1に入ったところです。
物価を引いた実質利回りはプラスですか。
プラスです。9月の利回り2.992%から7月の消費者物価上昇率1.9%を引くと+1.09ポイントです。月をそろえた計算では2021年9月から2025年12月まで52か月マイナスが続き、2026年1月にプラスに戻りました。
住宅ローンにはどう影響しますか。
長期固定型は長期金利の影響を受けやすく、フラット35(借入期間21〜35年、融資率9割以下)の10月の最も多い金利は3.83%で、前月比0.37ポイント上昇しました。変動型は主に政策金利(1.25%)に連動します。