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円安で米国株の円建てリターンは? S&P500はドル+20.3%、円換算+29.6%

2025年8月から2026年8月の月平均で、S&P500はドル建て+20.3%、円建て+29.6%でした。差を生んだのは7.7%の円安です。計算式、100万円の例、最も円安の日に買った場合、為替ヘッジあり・なしの違いを統計で確認します。

CapsWindow公開:
為替米国株円安NISA

新NISAでS&P500やオルカンを積み立てている人にとって、成績を決めるのは株価だけではありません。円で買って円で評価する以上、ドル円の動きがそのまま結果に入ります。2025年から2026年の数字で、その差がどれくらいだったかを確認します。

2025〜2026年、円はドルに対してどれだけ動いた?

2025年8月から2026年8月の月平均で、円は1ドル147.48円から158.85円へ7.7%円安になりました(FRED H.10の月平均)。ただし2026年の中では往復があり、日次では2月12日の152.64円が最も円高、7月29日の163.86円が最も円安でした。

時点円/ドル基準
2025年8月147.48円月平均
2025年9月25日149.78円日次
2025年12月155.92円月平均
2025年12月31日156.80円日次
2026年2月155.10円月平均(2026年で最も円高の月)
2026年2月12日152.64円日次(2026年で最も円高の日)
2026年7月162.33円月平均(2026年で最も円安の月)
2026年7月29日163.86円日次(2026年で最も円安の日)
2026年8月158.85円月平均
2026年9月25日157.18円日次

表の数字は1ドルあたりの円なので、数字が大きいほど円安です。日次はニューヨーク正午の参照レート(H.10)で、国内銀行の仲値やTTSとは少しずれます。

米国株の円建てリターンはドル建てとどれだけ違った?

2025年8月から2026年8月の1年では、円建てのほうがドル建てより9ポイントほど高くなりました。S&P500はドル建て+20.3%、円建て+29.6%です(FRED SP500、NASDAQ100)。

+20.3% → +29.6%

S&P500、2025年8月→2026年8月の月平均、ドル建て→円建て(FRED SP500・DEXJPUS、CapsWindow算出)

図で見る

米国株の円建てリターンはドル建てとどれだけ違った?

円建て

  • 2025年8月→2026年8月(月平均)+29.6%
  • 2025年8月→2026年8月(月平均)+35.4%
  • 2025年12月→2026年8月(月平均)+18.2%
  • 2025年9月25日→2026年9月25日(日次)+23.0%
  • 2025年12月31日→2026年9月25日(日次)+13.4%
  • 2025年12月31日→2026年9月25日(日次)+21.5%

ゼロを基準とする共通の線形目盛です。 下の表から一部の項目を抜粋しています。日付・単位・定義・注意点は元の表と本文を確認してください。

出典 ↓

期間指数ドル建て円建て円/ドルの変化
2025年8月→2026年8月(月平均)S&P500+20.3%+29.6%+7.7%(円安)
2025年8月→2026年8月(月平均)ナスダック100+25.8%+35.4%+7.7%(円安)
2025年12月→2026年8月(月平均)S&P500+12.5%+14.6%+1.9%(円安)
2025年12月→2026年8月(月平均)ナスダック100+16.0%+18.2%+1.9%(円安)
2025年9月25日→2026年9月25日(日次)S&P500+17.2%+23.0%+4.9%(円安)
2025年9月25日→2026年9月25日(日次)ナスダック100+25.5%+31.7%+4.9%(円安)
2025年12月31日→2026年9月25日(日次)S&P500+13.1%+13.4%+0.2%
2025年12月31日→2026年9月25日(日次)ナスダック100+21.2%+21.5%+0.2%

2026年に入ってからの年初来で見ると、円の動きは小さく、ドル建てと円建ての差はほとんどありません。円安の上乗せが大きかったのは2025年の秋から年末にかけてです。

S&P500の円換算はどう計算する?

円建てリターン=(1+ドル建てリターン)×(1+円/ドルの変化率)−1 です。1年のS&P500なら、1.203×1.077−1=+29.6%になります。

金額にすると、2025年8月の月平均水準で100万円分のS&P500を持っていた場合、2026年8月の月平均水準では約129万6,000円です。円相場が動かなかったと仮定すると約120万3,000円なので、約9万3,000円が円安による上乗せでした(指数と為替の月平均から計算。配当、信託報酬、為替手数料、税金は含みません)。

最も円安の日に買っていたら?

2026年で最も円安だった7月29日(163.86円)に買った場合、9月25日(157.18円)までの円建てリターンはドル建てを4ポイント以上下回りました。

起点指数ドル建て円建て円/ドルの変化
2026年7月29日(最も円安)S&P500+5.8%+1.5%−4.1%(円高)
2026年7月29日(最も円安)ナスダック100+12.6%+8.0%−4.1%(円高)
2026年2月12日(最も円高)S&P500+13.3%+16.7%+3.0%(円安)
2026年2月12日(最も円高)ナスダック100+24.0%+27.7%+3.0%(円安)

7月29日に100万円分のS&P500を買っていたら、9月25日の円建て評価は約101万5,000円です(表の変化率から計算)。株価はドルで5.8%上がっていても、円高がその大半を打ち消しました。なお財務省は、7月30日から8月26日までの期間に15兆3,993億円の為替介入を実施したと公表しています。円相場と国際収支の関係は経常黒字なのに円安はなぜ?で整理しています。

新NISAのお金はどこに向かっている?

個人マネーの中心は、全世界株式と米国株式のインデックス投信です。金融庁によると、NISA口座は2025年12月末で2,821万口座、累計買付額は71兆円でした。

投資信託協会の2026年8月の概況では、公募株式投信(ETF除く)に2兆956億円が純流入し、39か月連続の流入超でした。商品分類別では海外株式型が5,576億円、内外株式型(国内外の株式に投資する分類)が9,474億円で、合わせて全体の約7割です(割合は計算)。モーニングスターの集計(Finasee)では、8月の純流入首位はオルカン(約3,961億円)、2位はeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)(約2,016億円)でした。

国際収支統計でも同じ流れが見えます。2025年に「投資信託委託会社等」が買い越した海外株式・投資ファンド持分は5兆9,574億円でした(財務省 付表3)。2026年1〜7月は各月の速報値の合計で7兆6,929億円です(計算)。為替ヘッジなしの投信を持つ人は、円安・円高の影響をそのまま受けます。

為替ヘッジありなら結果はどう変わる?

為替ヘッジありの投信は、円安・円高の影響をおおむね取り除く代わりに、ヘッジコストを払います。ヘッジコストはおおむね二国間の短期金利差に相当します。

2026年9月時点では、米連邦準備制度が9月16日に政策金利を3.75〜4.00%へ引き上げ、日本銀行は9月18日に1.25%程度へ引き上げました(9月24日から適用)。金利差は2.5〜2.75ポイントなので、いまの水準が続けば、ヘッジありの円建てリターンは概ねドル建てリターンから年2.5〜2.75%ほどを差し引いた水準になります。これは目安で、実際のコストは為替先渡しの市場で決まります。

円安が進んだ1年間ではヘッジなしが有利でした。反対に、7月29日以降のような円高局面ではヘッジありが有利です。どちらが良いかは、その後の為替次第で後からしか分かりません。

円安で得をするのは投資家だけ?

一般に、輸出企業と訪日客向けのビジネスは円安で円建ての収入が増え、輸入する側は負担が増えます。財務省によると、2026年7月の原油価格(石油連盟資料)はドルベースで前年同月比+60.2%、円ベースでは+78.0%で、円安が円での負担をさらに押し上げました(7月の国際収支)。海外旅行や海外通販の支払いも、同じ理由で円では高くなります。

この計算の前提 — 表の多くは月平均どうしの比較で、特定の日の売買価格ではありません。S&P500とナスダック100は配当を含まない価格指数です。為替は米連邦準備制度のH.10(ニューヨーク正午)で、国内の銀行や証券会社の為替レート、手数料、信託報酬、税金は含みません。CapsWindowは為替相場の予想をしていません。

自分の金額で比べる — 過去の貨幣価値の計算ツールでは、同じ金額を物価やマネーストックなど複数の基準で比べられます。

過去の貨幣価値を計算する →

よくある質問

円安になると米国株の円建てリターンはどうなりますか?

ドル建てのリターンに円安の分が上乗せされます。2025年8月から2026年8月の月平均では、S&P500はドル建て+20.3%でしたが、円が7.7%安くなったため円建てでは+29.6%でした。計算式は、円建てリターン=(1+ドル建てリターン)×(1+円/ドルの変化率)−1です。

円高になると米国株の円換算はどうなりますか?

ドル建ての値上がりが円高の分だけ削られます。2026年で最も円安だった7月29日(1ドル163.86円)から9月25日(157.18円)まで、円は4.1%円高になり、S&P500はドル建て+5.8%に対して円建ては+1.5%でした。ナスダック100はドル建て+12.6%、円建て+8.0%です。

為替ヘッジありとなしでは、何が違いますか?

ヘッジなしは円安・円高の影響をそのまま受け、ヘッジありはその影響をおおむね取り除く代わりに、ヘッジコストがかかります。ヘッジコストはおおむね日米の短期金利差に相当し、2026年9月時点では米国の政策金利3.75〜4.00%と日銀の1.25%の差、年2.5〜2.75%ほどが目安です。円安が進んだ1年間はヘッジなしが有利でしたが、7月29日以降のような円高局面ではヘッジありのほうが円建ての結果は良くなります。

新NISAで米国株やオルカンを買う人はどれくらいいますか?

金融庁によると、NISA口座は2025年12月末で2,821万口座、累計買付額は71兆円です。投資信託協会の統計では、2026年8月の公募株式投信(ETF除く)への純流入は2兆956億円で、海外株式型が5,576億円、内外株式型が9,474億円でした。モーニングスター集計では8月の流入首位はオルカン(約3,961億円)、2位はeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)(約2,016億円)です。

出典

  1. FRED — S&P 500(SP500、日次終値) ↗
  2. FRED — NASDAQ 100 Index(NASDAQ100、日次終値) ↗
  3. FRED — Japanese Yen to U.S. Dollar Spot Exchange Rate(DEXJPUS、H.10) ↗
  4. CapsWindow — データと算出方法 ↗
  5. 日本銀行 — 金融市場調節方針の変更について(2026年9月18日) ↗
  6. Federal Reserve — FOMC statement(2026年9月16日) ↗
  7. 投資信託協会 — 投資信託概況(2026年8月) ↗
  8. 金融庁 — NISA口座の利用状況に関する調査結果(2025年12月末時点) ↗
  9. 財務省 — 令和7年中 対外・対内証券投資(速報、付表3) ↗
  10. 財務省 — 令和8年7月中 国際収支状況(速報)の概要 ↗
  11. 財務省 — 外国為替平衡操作の実施状況(2026年7月30日〜8月26日) ↗
  12. Finasee — 26年8月投信(アクティブ・パッシブ)、モーニングスター集計 ↗
  13. 東京海上アセットマネジメント — 為替ヘッジとは ↗

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