JPY ホーム
ホーム · 計算ツール · ノート
ノート · 日本語

米価格を円で見ると過去何番目? 国際価格は円安で1年35%高、スーパーの5kgは2,821円へ下落 — なぜ逆に動くのか

国際的な米の指標価格(タイ産白米5%砕米)を円に換算すると2026年8月は1トン7万4,817円、1キロ約74.8円で、1971年以降668か月中91番目、2000年以降では26番目の高さです。1年で35.3%上がりました。一方、国内のスーパーの5kg平均は2,821円まで下がり、消費者物価の米類は前年比−20.6%。円安と国内の需給、二つの動きを分けて読みます。

CapsWindow公開:
RiceFood pricesInflationExchange ratesCommodities

国際市場の米は2025年秋の安値から値上がりし、円安がその上昇を大きくしています。ところが日本のスーパーでは、米の値段が毎週のように下がっています。同じ「米の値段」がなぜ反対に動くのか。国際価格を円に直して過去と比べ、国内の店頭価格と消費者物価を並べて確かめます。

国際的な米の価格は、今いくらか

2026年8月の月平均で、1トン7万4,817円、1キロ約74.8円です。世界銀行のPink Sheetにあるタイ産白米5%砕米(FOBバンコク)の月平均471ドルに、8月のドル円月平均158.8476円(FRED EXJPUS)を掛けたCapsWindowの計算です。

74.82円/kg

タイ産白米5%砕米の国際価格を円に換算(2026年8月の月平均、CapsWindow計算)。世界銀行のドル価格×FREDのドル円月平均。

世界銀行の最新値は2026年9月の1トン482ドルで、1年前(2025年9月)の374ドルより28.9%高くなっています。ただし、9月のドル円月平均はまだCapsWindowのデータにないため、円換算は8月を最新月としました。参考までに9月のドル価格に8月のドル円を掛けると1トン7万6,565円ですが、月がずれた概算です。

図で見る

国際的な米の価格は、今いくらか

  1. ドル建て(1トン)
    2025年8月
    375ドル
    2026年8月
    471ドル
    変化
    +25.6%
  2. ドル円(月平均)
    2025年8月
    147.4786円
    2026年8月
    158.8476円
    変化
    円安7.7%
  3. 円建て(1トン、計算)
    2025年8月
    5万5,304円
    2026年8月
    7万4,817円
    変化
    +35.3%
  4. 円建て(1キロ、計算)
    2025年8月
    55.30円
    2026年8月
    74.82円
    変化
    +35.3%

下の表から一部の項目を抜粋しています。日付・単位・定義・注意点は元の表と本文を確認してください。

出典 ↓

指標(タイ産白米5%、月平均)2025年8月2026年8月変化
ドル建て(1トン)375ドル471ドル+25.6%
ドル円(月平均)147.4786円158.8476円円安7.7%
円建て(1トン、計算)5万5,304円7万4,817円+35.3%
円建て(1キロ、計算)55.30円74.82円+35.3%

これは輸出港での卸売の取引価格で、日本の店頭で売られている米の値段ではありません。

円で見ると過去何番目の高さか

2026年8月の7万4,817円は、1971年1月以降の668か月中91番目です(CapsWindow計算)。同じ期間をドル建てで並べると120番目なので、円で見た方が順位が高くなります。2000年1月以降の320か月に絞ると、円建ては26番目(上位8%)、ドル建ては102番目です。

順位(円建て、月平均)月円建て(1トン)ドル建てドル円
1位1974年4月16万7,664円603.6ドル277.77円
2位1974年5月16万7,017円598.7ドル278.97円
3位1974年6月16万1,406円570.4ドル282.97円
4位1974年3月16万890円570.2ドル282.16円
5位1974年2月15万7,100円539.7ドル291.09円
2000年以降の最高2024年6月9万9,768円632.0ドル157.86円
2008年危機の最高2008年5月9万4,111円901.8ドル104.36円
最新2026年8月7万4,817円471.0ドル158.85円

世界銀行のドル価格とFREDのドル円月平均からCapsWindowが計算しました。円建ての上位5か月がすべて1974年なのは、ドル価格が600ドル前後まで上がり、しかも1ドルが280円前後だったためです。

円とドルで大きく違うのが2008年の扱いです。ドル建てでは2008年4月の907ドルが1960年以降の最高で、2026年8月の471ドルはそれより48.1%低い水準です。ところが2008年は1ドル100円台前半の円高だったため、円建ての2008年5月は9万4,111円にとどまり、2026年8月との差は−20.5%に縮まります。2000年以降の円建ての最高は2008年ではなく、ドル価格と円安が重なった2024年6月で、2026年8月はそれより25.0%低い水準です(ドル建ての2023〜24年の高値、2024年1月の660ドルと比べると−28.6%)。

円安がどれだけ上乗せしたか

2025年8月から2026年8月の上昇は、ドル建て+25.6%に対して円建て+35.3%で、約10ポイントの差は円安によるものです。円建て価格はドル建て価格×ドル円なので、1.256×1.077≒1.353になります(CapsWindow計算)。

2025年の安値からの戻りで見ると、差はさらにはっきりします。ドル建ての2025年の最安値は2025年10月の356ドルで、2026年8月の471ドルはそこから+32.3%、円建ては+38.9%です(計算)。2026年に入ってからの円建ての最高は、ドル価格が494ドルまで上がり、ドル円も160.77円だった2026年6月の7万9,420円でした。

ドル円は為替市場で決まり、米の需給とは別の理由で動きます。円安が続けば、ドル建ての米が値上がりしなくても円建ての輸入価格は上がり、円高になれば逆に下がります。

物価を考慮すると、どのくらい高いのか

消費者物価で調整すると、今の国際価格は過去と比べてそれほど高くありません。全国の消費者物価指数(総合、2025年=100)の最新月である2026年7月の物価に直すと、2026年7月の円建て価格は1トン7万5,808円で、1971年以降の667か月中191番目です(CapsWindow計算)。

比較(実質、2026年7月の物価)当時の価格2026年7月との差
1974年4月(実質の最高)41万2,091円−81.6%
2008年5月11万975円−31.7%
2024年6月10万5,345円−28.0%
2026年7月7万5,808円—

1974年4月の名目16万7,664円は、その後の物価上昇を考えると今の41万円台に相当します。名目では2000年以降の上位8%でも、実質では1971年以降の上位3割ほどの順位です。消費者物価指数はe-Statの全国総合指数を使いました。

国内の米の値段は、なぜ下がっているのか

国際価格とは逆に、国内の米は下がり続けています。農林水産省が調べるスーパー約1,000店の5kg平均は、2026年10月12〜18日に2,821円で、前週より16円安く、10週連続の下落でした(デイリースポーツ/共同通信)。銘柄米は2,872円、ブレンド米などは2,609円です。

時期(スーパー約1,000店)5kg平均出典
2025年12月29日〜2026年1月4日4,416円(過去最高)OANDA/共同通信
2026年8月24〜30日3,112円OANDA/共同通信
2026年9月7〜13日2,971円(約2年ぶりの2千円台)熊本日日新聞/共同通信
2026年9月28日〜10月4日2,860円OANDA/共同通信
2026年10月12〜18日2,821円OANDA/共同通信

過去最高の4,416円から2,821円までは36.1%の下落です(計算)。報道によると、値下がりの理由は2026年産の安い新米が本格的に出回り、2025年産の値引き販売も進んだことです。

消費者物価でも同じ流れが確認できます。e-Statの品目別価格指数で、米類(2025年=100)は2026年9月に80.3、前年同月の101.1から−20.6%でした(計算)。8月は−15.7%です。総務省の9月分の公表資料では、うるち米(コシヒカリを除く)が−21.1%で、総合指数(前年比+2.1%)を0.15ポイント押し下げました。

消費者物価 米類(2025年=100)値
2026年9月80.3(前年比−20.6%、計算)
過去最高(2025年11月)108.7 → 今は−26.1%
2025年5月102.0(前年比+101.6%)
年平均 2023年 → 2024年 → 2025年46.8 → 59.7 → 100.0
10年(2016年9月→2026年9月)米類+81.7%、総合+16.7%
20年(2006年9月→2026年9月)米類+65.9%、総合+19.3%

米類の指数は2023年から2025年に2倍以上になり、そこから下がってきたところです。物価全体に対する米の相対的な価格は2025年11月の最高から下がったものの、1970年以降の681か月で33番目の高さです(計算)。

供給の面では、政策と在庫の数字が値下がりの背景を示しています。農林水産大臣は9月1日の閣議後の記者会見で、備蓄米21万トンを買い戻す方針を示しました。2025年に59万トンを放出し、今の備蓄は32万トン(適正水準は100万トン)です(熊本日日新聞/共同通信)。農林水産省は2026年産の生産を735万〜754万トン、需要を693万〜711万トンとし、2027年6月末の民間在庫を246万〜283万トンと見込んでいます(秋田魁新報/共同通信)。JAが農家に先払いする概算金も16都県で前年より2〜4割低く、栃木のコシヒカリは60キロ1万5,500円で前年当初比−45%でした(秋田魁新報/共同通信)。

国際価格と店頭価格の差も確認しておきます。2,821円の5kgを1キロに直すと564円で、円建ての国際価格74.8円の約7.5倍です(計算)。ただし品種、精米の段階、流通費、税が違うため、この倍率は目安にとどまります。国内の米は主に国産のジャポニカ米で、タイ産のインディカ米の輸出価格とは別の市場で値段が決まっています。1人当たりの米の供給量は2025年度で年52.0kgでした(農林水産省 食料需給表)。

国際価格はなぜまた上がったのか、この数字をどう読むか

国際価格は2025年10月の356ドルを底に上がり、2026年6月に494ドル、9月に482ドルでした。報道や機関の説明では、インドの2026/27年度の生産が過去最高の1億5,400万トンから約1,000万トン減る可能性(Business Today、インド米輸出業者協会の見方)、タイの洪水、エルニーニョへの懸念、運賃・保険料が挙げられています(Trading Economics)。FAOによると、米価格指数は2026年9月に前月比1.4%上がりました。10月23日のロイター週報では、タイ産5%は1トン480ドルで前週と同じでした(Business Recorder/Reuters)。どの要因がどれだけ効いたかを分けることはできません。

円建ての国際価格が1年で35.3%上がった同じ時期に、国内の米類の物価は20.6%下がりました。二つの数字は別の市場を映しており、どちらか一方だけで「米が高い」「米が安い」と判断することはできません。過去の金額が今のお金でどのくらいかは、計算機で確かめられます。

過去の金額を今のお金で計算する →

世界銀行のタイ産白米5%砕米はFOBバンコクの輸出価格で、日本の店頭価格ではありません。日本で主に食べられるジャポニカ米とは品種も等級も違います。国際価格は月平均、スーパーの価格は週ごとの調査で、店舗数が違う調査(約1,000店と約6,000店)どうしは直接比べられません。スーパーの5kg平均は報道で確認した値で、1年前の同じ週の値は確認できていません。円換算は2026年8月のドル円月平均を使っており、9月の値は月がずれた参考値です。実質の計算は2026年7月までの消費者物価指数によります。本稿は米価格や為替の先行きを予想するものではなく、売買を勧めるものでもありません。

よくある質問

国際的な米の価格は、円で見ると今いくらですか。

世界銀行のタイ産白米5%砕米は2026年8月に1トン471ドルで、同じ月のドル円月平均158.85円を掛けると1トン7万4,817円、1キロ約74.8円です(CapsWindow計算)。1971年以降の668か月で91番目、2000年以降の320か月では26番目の高さです。最新の9月のドル価格は482ドルで、1年前より28.9%高くなっています。

国際価格が上がっているのに、なぜスーパーの米は安くなっているのですか。

国内の米は主に国産のジャポニカ米で、価格は国内の収穫と在庫で決まる部分が大きいためです。報道によると、2026年産の新米の出荷と2025年産の値引き販売で、スーパーの5kg平均は10週連続で下がりました。農林水産省は2027年6月末の民間在庫を246万〜283万トンと見込んでいます。タイ産のインディカ米の輸出価格とは、品種も流通の仕組みも違います。

米の値段は、高くなる前の水準に戻ったのですか。

戻っていません。消費者物価の米類(2025年=100)は2026年9月に80.3で、2025年11月の過去最高108.7より26.1%低い一方、10年前の2016年9月より81.7%高い水準です。同じ10年の物価全体は16.7%の上昇でした(e-Statの品目別指数からCapsWindow計算)。

円で見た国際的な米の価格が一番高かったのはいつですか。

1971年以降の月平均では1974年4月の1トン16万7,664円が最高で、上位5か月はすべて1974年です。ドル価格が603.6ドルと高く、ドル円が277円台だったためです。2000年以降では2024年6月の9万9,768円が最高で、2026年8月はそれより25.0%低い水準です(CapsWindow計算)。

出典

  1. 世界銀行 Commodity Price Data(Pink Sheet)月次 — Rice, Thai 5%(2026年10月2日更新) ↗
  2. FRED — Japanese Yen to U.S. Dollar Spot Exchange Rate(EXJPUS、月平均) ↗
  3. e-Stat — 消費者物価指数 品目別価格指数 全国 月次(2025年基準、1970年1月〜2026年9月) ↗
  4. 総務省統計局 — 消費者物価指数 全国 2026年9月分(2026年10月23日) ↗
  5. デイリースポーツ(共同通信)— コメ平均価格、10週連続の下落(2026年10月23日) ↗
  6. OANDA(共同通信)— コメ5キロ2,821円(2026年10月23日) ↗
  7. OANDA(共同通信)— コメ5キロ4,416円、過去最高(2026年1月9日) ↗
  8. 熊本日日新聞(共同通信)— コメ平均価格、約2年ぶりに2千円台(2026年9月18日) ↗
  9. 熊本日日新聞(共同通信)— 備蓄米21万トン買い戻し表明(2026年9月1日) ↗
  10. 秋田魁新報(共同通信)— 農水省の需給見通し(2026年9月2日) ↗
  11. 秋田魁新報(共同通信)— JA概算金、前年より2〜4割低く(2026年9月9日) ↗
  12. 農林水産省 — 食料需給表 令和7年度(概算) ↗
  13. Business Today — India rice output faces 10 mn tonne slump(2026年9月18日) ↗
  14. Business Recorder(Reuters)— Asia rice(2026年10月23日) ↗
  15. FAO Food Price Index(2026年10月2日) ↗
  16. Trading Economics — Rice(2026年10月15日) ↗

計算ツール

関連ツール